職員満足度調査を実施する機会が増えるにつれて、職員満足度調査のベンチマーキングは私が事前に考えていた以上に病院のマネジメントに有効なツールだという手応えを感じています。
職員満足度の調査結果は、他の病院と比較することによってその病院の強みと弱み、職員のモチベーションの状況が極めてはっきりとした形で可視化されます。職員の方々も協力的で真面目にアンケートに回答していただけるため、調査結果の信頼性も高く、報告時に「うちの病院は違うよ」というような否定的な反応をいただくこともまずありません。
職員満足度調査を実施する機会が増えるにつれて、職員満足度調査のベンチマーキングは私が事前に考えていた以上に病院のマネジメントに有効なツールだという手応えを感じています。
職員満足度の調査結果は、他の病院と比較することによってその病院の強みと弱み、職員のモチベーションの状況が極めてはっきりとした形で可視化されます。職員の方々も協力的で真面目にアンケートに回答していただけるため、調査結果の信頼性も高く、報告時に「うちの病院は違うよ」というような否定的な反応をいただくこともまずありません。
「患者満足度を高めるには、職員満足度を高める必要がある」という話を耳にしたことがある方も多いと思います。
このようなシナリオは一見すると筋が通っているように思いますが、はたして本当にそんなに単純に考えても良いものでしょうか?
私はかつて都市銀行の本部で営業部店の業績評価を行っていました。この仕事は、目標や評価ポイントの置き方ひとつで数万人の銀行員の半年間の思考や行動パターンが変わるほど重大な責任のある仕事でした。実際に、自分がつくったスプレッドシートですべての融資担当者が顧客採算を計算したり、本部が通知するガイドラインや評価体系に従って大きな組織が一糸乱れぬ動きをするのは、さながら軍隊の中央司令室にでもいるような錯覚さえ抱きました。
誤解を招くかもしれませんが、せっかくMBAやMHAなどで経営に関する勉強を行っても、現在の日本の医療機関の経営環境下でその成果や能力を発揮することは困難だと思います。国による各種規制や行政指導が色濃く残り、国民皆保険制度による価格統制経済のもとでは、決められたルールに則って組織を管理するための能力や、質を落としてでもコストダウンを図るノウハウばかりが求められ、経営者の能力はそれほど問われてきませんでした。
しかし、2007年4月からの第5次医療法改正を境にして、日本の医療経営環境は大きく変わろうとしています。経営者としての能力が求められる時代が到来しようとしています。
以前から気になっていたバンコクの病院の視察に行ってきました。国際的にも有名なバムルンラード病院やバンコク病院、バンコク病院系列のサミティヴェ-ト病院など、タクシン前首相が推進した「メディカルツーリズム政策」の流れにも乗って今や世界中から患者を集めるようになった先進的な民間病院を実際に訪問し、各病院の幹部ともディスカッションをさせていただくことができました。
私が以前勤務していた医療法人は、米国での研修プログラムを開催していました。派遣されるのは医師、看護師、コメディカル、事務部門を問わず経営への参画が求められる幹部職員で、はじめにハワイで2週間ほどの入門研修を受け、その後各自のテーマに沿って米国各地の病院や企業などに派遣されて2ヶ月程度のトレーニングを積むというユニークなプログラムです。
私も以前この研修に参加させていただき、米国の医療制度や病院経営の光と影の部分を目の当たりにするとともに、日本の医療界や病院の目指すべき方向をじっくりと考える非常に貴重な経験をさせていただきました。ケアレビューという会社を起業して、日本の医療や病院経営の質を高めるための取組みを始めのも、このときの経験が大きな影響を与えています。
東京大学大学院工学系研究科の飯塚悦功教授は工業分野の品質管理の専門家として高名な先生で、最近は医療界でも「患者適応型パス」の開発を中心になって進められています。今回は、飯塚先生の講演の中から、「医療界の不思議」という興味深い話をご紹介したいと思います。
同じ人でも、自分の置かれた状態によって価値感や優先順位は変化します。このことを、私たちの調査データを使って具体的に説明します。入院患者の場合、短期入院の方も長期入院の方もいます。それぞれ患者さんと病院とが関わる時間が相当違うのですが、それでも患者満足度に影響を及ぼす要因が同じなのかという疑問が出てきます。そこで、私たちは入院期間によって患者満足度に及ぼす要因の違いを回帰分析により検討してみました。
病院や医師に対して患者さんが抱いている理想像や、求めているニーズは一人ひとりで異なります。また、同じ人であっても、健康状態や経済状態、あるいは病気の種類やステージによっても期待レベルは変化します。たとえば、「軽い胃潰瘍」程度であればあまり治療を受けたがらない病院嫌いの人でも、もし「胃がん」が見つかった場合には最高の治療を受けたいと全国の名医を捜し求めたりします。
今回は、私の会社で実施している患者満足度調査のなかから、新しい分析手法をご紹介しましょう。
個人の価値感の多様化は、「医療の質」を考える上でも非常に重要です。今回は、私の知人が経営する会社が開催したレーシック(近視矯正手術)フォーラムの様子を紹介したいと思います。このフォーラムは、これから手術を受けようと考えている人や、レーシックに関心のある一般市民に対して、手術方法や適応範囲、術後管理の方法、安全性やリスク等についてわかりやすく紹介することを目的として、専門の眼科医4名によるシンポジウム形式で開催されたものです。最近ではレーシックに関する情報は雑誌やインターネットでもさかんに紹介されていますが、複数の専門医による話を生で聞くことができる機会とあって、200名程度収容できる会場は満員の盛況でした。