女性看護師が求める人事制度やサービスに関する意識調査

  • 約7割の看護師が、有給休暇の取得促進や買い上げの制度化を希望している。
  • 子どもが就学前の看護師の約6割が、短時間正職員制度の利用を希望している。
  • 20~30代の看護師の約5割が、託児所利用へのニーズを感じている。
  • 他病院との人事交流や研修制度の充実など、キャリア形成への意欲も高い。

当社では、全国20~40代の病院勤務の女性看護師が利用したいと考える人事制度やサービスを把握するための意識調査を実施いたしました。

調査方法はインターネットリサーチ。有効回答数は500名から得られました。

調査結果概要

約7割の看護師が、有給休暇の取得促進や未消化分の買い上げの制度化を希望している。

全国20~40代の病院勤務の女性看護師に、今現在または将来的に利用したい人事制度やサービスを尋ねたところ、「取得しなかった有給休暇を買い上げる制度」と回答した人が69%と最も多く、「リフレッシュ休暇・誕生日休暇・記念日休暇など有給休暇をとりやすくする制度」が61%と続き、有給休暇に関する大きな課題が浮かび上がりました。

未消化分の有給休暇を買い上げることは法的に困難ですが、それだけ看護師が消化し切れなかった休暇日数が多いことを示唆しています。思うように休暇を取得できないと、疲労が蓄積して医療安全面への影響も懸念されるため、最優先で改善すべき課題だと考えられます。

<有給休暇に関する主な意見>

  • もっと有給を取れるか、せめて有給を自分の希望で取れるようにしてほしい。
  • 年休や有給を消化できるシステムを確立して欲しいと思う。現在は、ほとんど消化できないのが慣習となっているため、看護部や病院全体がもっと積極的に消化できるようなシステムを作って欲しいと思う。
  • つかえなかった有給をお金にしてほしい。もしくは、有給を期間内に消化しなければならない制度を。

子どもが就学前の看護師の約6割が、短時間正職員制度の利用を希望している。

有給休暇関連に続いて、希望休日の曜日指定制度(41%)、短時間正職員制度(40%)、育児介護休職(39%)、夜勤免除制度(38%)への支持が多く、個人の希望に合わせてフレキシブルに勤務日や時間を選択できる人事制度への希望が多い結果となりました。

このうち、日本看護協会などが導入を推進している「短時間正職員制度」は、子どもが就学前の看護師に限ると59%が利用を希望しており、子育てや家庭生活との両立を考える看護師にとって魅力的な制度であることが裏付けられたと考えられます。

<勤務時間に関する主な意見>

  • 出勤日・出勤時間が選べる。夜勤形態を聞いてもらえる(3交代or2交代)
  • 夜勤の有無を選べること。学びたい上司を選べること。
  • 子育てをしている人などに、正社員のまま、勤務時間帯の選択ができ、夜勤の免除が受けられたらいい。
  • 習い事がある曜日は夜勤シフトからはずしてくれるシステムがあったら嬉しいです。

20~30代の看護師の約5割が、託児所利用へのニーズを感じている。

託児所の利用希望者も多く、院内託児所(24時間)が31%、外部託児所の利用料補助が28%、院内託児所(24時間以外)が18%の希望があり、3種類いずれかの希望者は41%に達しました。

とくに、20代の51%、30代の46%が、現在または将来的に託児所の利用を希望しており、若手の女性看護師を確保する上で不可欠なサービスだと考えられます。また、実際に子どもを持つ看護師からは、「病児保育」への強い希望が多く寄せられました。

<託児所に関する主な意見>

  • 病児保育をしてくれたら助かると思う。
  • 24時間保育に病児保育がついたもの。
  • 院内保育制度(病後保育や夜勤中の保育も)

他病院との人事交流や研修制度の充実など、キャリア形成への意欲も高い。

これからも病院の看護師として仕事を続けて行く上で「あったらいいなと思う制度」について、自由記述を求めたところ、さまざまな声が集まりました。

勤務時間や子育て支援への要望だけでなく、他病院との人事交流や研修制度の充実を求める声も比較的多く、さまざまな経験を積んでキャリア形成したいとの意欲が高い看護師も多いと考えられます。これらの多様化するニーズに対しては、1病院だけでは解決できないため、複数の病院間で協力し合うような連携体制づくりが今後より一層求められると考えられます。

<人事交流等への主な意見>

  • 他病院との交流、交換制度
  • ほかの専門病院への研修制度(短期間研修で専門分野を学びなおす)、希望によるローテーションなどがあると働きやすいのではないか。
  • 全国に系列のある病院で、都会で働くのは疲れたから一年くらいどこか地方で働くような制度があればいい。
  • 海外研修や海外ボランティア等を退職しなくても行なえる制度があれば良いと思う

調査概要

  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国
  • 調査対象:20~40代の病院勤務中の女性看護師 (他施設勤務者は含まない)
  • 有効回答:合計500サンプル (20代170名 ・30代170名 ・40代160名)
  • 調査日時:2009年3月12日(木)~3月16日(月)
問:次のような制度のうち、あなたが今現在または将来的に利用したいものはありますか。(複数回答可)

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■年代別の割合(%)

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■子どもの有無・就学状況別の割合(%)

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より詳しい内容は、下記レポート(PDF)をご覧ください。
女性看護師が求める人事制度やサービスに関する意識調査